サーフィンは何歳からでも始められる
コロナ禍の中、アウトドアの関心が高まりキャンプやサーフィンに興味を持たれてる方が増えています。
私は27歳からサーフィンをしていますが、未だに全然上手くありません。でも楽しみながら海に通い続けています。
私は現在53歳ですが、同世代や常日頃身体を動かしている60代の方に「今からサーフィン始めたい」と相談されたら全く問題なく始められるよ、行こうと言います。さすがに全く泳げない人だと難しいですが、25mぐらい泳ぐ泳力があれば大丈夫です。
サーフィンは波に乗るスポーツです。波と言ってもハワイの大波から、湘南によくある波の高さがヒザ程度の小波まで色々あります。
要は自分の技量に合ったポイントを選んで入ればいいのです。
山に例えると分かりやすいかと思います。ハワイの大波に挑むのは、エベレストに登ろうとするのと同じです。選ばれたエキスパートのみが挑戦できる領域です。日本の台風時に来る身長の2倍、3倍の波は北アルプスの山々に例えられます。私などが登ろうとすればすぐに遭難するでしょう。だから私は山で言えば高尾山程度の波にしか入りません。波の高さで言えばヒザから肩ぐらいまでですね。頭ぐらいの高さの波に入るのは、すごく勇気が要ります。
一番最初にする事
一番最初にする事は、住んでいる地域か行こうとしている海の近くでスクールをやっているサーフショップを探す事です。
サーフィンをやっている友人でも良いのですが、その友人が初心者用のサーフボードとあなたに合うウェットスーツを持っているとは限りません。
7月から9月ぐらいであれば海パンとTシャツで事足りますが、最初は怪我防止のためにもウェットスーツを着た方が良いと思います。
とにかく一度海に行って2~3時間やってみてください。海水浴に行って海で泳ぐのとは全く違う経験だと思います。この時に、波に乗れるとか乗れないとはか関係なく楽しいと思えれば、続けていけるでしょう。
続けてみようと思った方は
ここからは道具をそろえるために少しまとまったお金が要ります。必要なのはサーフボード、ウェットスーツ、リーシュコード、ワックスです。サーフボードを入れるケースもあった方が良いと思います。サーフボードを買うにあたっては自分が今後どのスタイルのサーフィンを目指すのかで変わってきます。以下にサーフボードの種類と特長を説明します。
ショートボード 2mぐらいまでのサーフボードで三つのフィンが付いている
特長、アグレッシブな動きが可能、時間がかかってもサーフィンの本質を追求したいならショートボードから始めるべきです。浮力が少ないので最初はフラフラしてパドリングもままならないと思います。
ファンボード 2m40cmぐらいまでの長さで、短くても幅が広い板が多い
特長、サーフショップの初心者スクールはファンボードでする事が多いです。ある程度浮力があるのでコツをつかめば初日でもパドリングする事が可能です。
ロングボード 3mぐらいまでのサーフボードで幅も広く厚みもあるので結構重たい
特長、優雅なスタイルでゆっくりとした動きになります。ヒザ以下の小波でも乗る事ができます。ボード自体が大きいので保管場所を選びます。エレベーターに入らない事もあるので、マンションの高層階にお住まいの方は確認が必要です。キムタクがやっているのもロングボードです。浮力大きいので初日からでも波に乗る(テイクオフ)が可能。
細かく分けるとショートボード、ファンボード、ロングボードの中でいくつも分かれます。
最初に選ぶサーフボード
まず、ロングボードはあまりおすすめしません。確かに安定感はあるしスネぐらいの波でも遊べるので、初心者にはいいように思えますが、取り回しが大変で波に乗ってしまうとコントロールが効かず危ないからです。どうしてもロングボードがいいという方はコストコのスポンジロングボードを選んで下さい。理由は安価である事とやわらかい素材なので他人もしくは自分にぶつけてしまっても怪我をする確率が低いからです。
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サーフショップで相談するとファンボードをすすめられるケースが多いと思います。サーフショップはより多くの人にサーフィンに触れて好きになって欲しいと思っています。バランスが取りずらくパドリングも大変なショートボードで挫折するぐらいなら、安定感のあるファンボードでサーフィンに親しんで自分の店の顧客になって欲しいからです。しかしながら私は、初心者には一番いらないボードだと思います。もし自分のスタイルが決まらず、色々なボードに触れてみたいのであればレンタルで十分です。
私が最初に買うボードでおすすめするのはショートボードです。その後どんなスタイルのサーフィンをするにせよ、ショートボードでサーフィンの基本を学んでおかないと続けていけないし、後々苦労するからです。私自身がファンボード、ロングボードと進んでショートボードを始めたものですから、本当に苦労して未だに初心者の域を出ていません。ショートボードで基礎を固めた後であれば、いつでもファンボード、ロングボードに変える事ができます。夏だけしたいとか、年に10回以下しかサーフィンに行かないのであれば、何も申しません。好きなボードを予算に合わせてお買い求めください。少しでも成長したいとか、いずれは大きな波に挑みたいと思うのであればショートボードで始めてください。
ショートボードの選び方
ショートボードにも長さ、幅、厚みの違う様々なボードがあります。今はそれにプラスしてボードの容量、リッター数(浮力)で語られる事が多くなりました。長さ、幅、厚み、からボードのリッター数を換算できるサイトもいくつかありますので探してみて下さい。私の身長(173cm)、体重(72kg)から多くのショップ、サイトで勧められる初心者用ボードのリッター数は31〜40となりますが、私が現在乗るボードは26リットルです。ここからはあくまで私個人の見解です。私が受講しているVSCと言うサーフィンスクールでは極力浮力を下げるように教えてもらっています。一般的なオススメとは逆となりますが、パドリングもできますしテイクオフも問題ありません。これはサーフィンに対する捉え方の違いと言えます。パドル力が足りない初心者のうちは浮力の大きいボードに乗ってサーフィンに慣れ親しみましょうと言う考えと、サーフィンを長く続けて行くのであればしっかりとしたパドリングやテイクオフ動作は必須であるからボードの浮力に頼らない技術を身につけましょうと言う考え方です。私は自分の経験からも後者の考え方を支持します。浮力の大きいサーフボードでより波に乗る機会を増やしながら上達すると言う考え方も間違いだとは思いませんが、波のサイズが頭を超えてくるとボードの浮力が邪魔となって沖に出られなくなり、いつまでたっても腰、腹程度の波にしか乗れない事になります。
どこで道具をそろえたらいいかについて
最初にサーフィンを始める際は、サーフショップで一通りそろえてサーフィン仲間を作ったり、海のルールを学んだ方が良いと昔は言われていました。地元の海でそこから離れないのであれば、地域コミュニティーに入るため地元のサーフショップで買うメリットはあります。しかし今の状況では、サーフショップで買うメリットがほとんど無くなっています。ネットで安価な道具がたくさん出ています。また、ネットでは海外の有名なブランドのサーフボードが日本の半額近い価格で買う事ができます。ショップに行くとそういう並行輸入ボードは日本の波に合わないと言われますが、現在輸入代行業者さんがしっかりしているのでそういった心配もありません。一からオーダーする事もできます。ウェットスーツもショップが扱っているメジャーブランドは冬用の物で10万円前後しますが、ノーブランドのウェットスーツであればフルオーダーで高性能の物が5万円以下で変えます。また、メジャーなサーフポイントの近くのリサイクルショップではサーフボードやウェットスーツを置いているケースがあります。
有名ブランドのサーフボードの中古新品が安く買えるサイト
高性能なウェットスーツが買えるサイト
海の危険やサーフィンのルールについてもネットで検索すれば出てきます。また、スクールのみを専業でされている方も多くいますので、そちらで学ぶ事も可能です。例外としては、ローカリズムのきついポイントで地元のショップでローカルとコミュニケーションを取らないとそのポイントに入れないという場所が未だに存在します。ただ、それらのポイントの多くが上級者向けの危険なポイントで初心者があえて入る必要はありません。ローカリズム、ローカルについては後ほど説明します。
知っておいて欲しい事
サーフィンを始めるにあたって以下の事を知っておいて下さい。
海の危険性について
- 離岸流(カレント)流れ、波が大きい時や風が強い時に海上に流れが発生します。初心者向けと呼ばれるメジャーなポイントでも例外ではありません。海岸の地形によって独特な流れが発生している場合もあります。
- 海洋生物の危険、分かりやすいのはサメですがサメ以外にもクラゲやチンクイと呼ばれる刺されるとすごく痒い目に見えない微生物がいます。
- 海底(ボトム)について、メジャーポイントの多くはボトムが砂(サンド)なので危険性は少ないですが、ボトムがサンドでもところどころに岩が出ていたり、海底にテトラポッドが埋められているケースもあります。中、上級者向けのポイントや海外のポイントではボトムが岩や珊瑚(リーフ)の場所が多いです。
サーフィンのルール
サーフィンにも他のスポーツ同様ルールがあります。特にサーフィンは管理者がいないスポーツなのでルールを守らないとトラブルの原因になります。代表的なものとしては、前乗りしないとか乗って来ているサーファーの進路を塞がない等があります。ただ最初は余裕がないので意図せずルール違反を犯して怒られてしまうことがあります。最初はできるだけ人のいない所で練習しましょう。人のいない所は波も悪いですが、パドリングで移動が出来ないうちは波の善し悪しは関係ありません。
サーフィンのマナー
海に入る際に先に入っている人には、会釈程度でもいいので挨拶しましょう。混雑している場合は難しいですが、上手そうな人と目があったら挨拶しましょう。せっかく海に来ているので人とはフレンドリーに接しましょう。ポイントによっては大人数で入らないのがマナーとなっている場所もあります。ゴミは出さない、持って帰る。余裕があれば海にあるゴミを持って帰りましょう。
ローカル、ローカリズムについて
サーフィンには全世界的にローカル問題があります。ローカルとは簡単に言えば地元に住んでいるサーファーです。我々のような他の地域に住んで海に通うサーファーはビジターと言います。ローカルサーファーは地元のポイントを愛して守っている存在なのでリスペクトが必要です。自分たちが守ってきたポイントをビジターサーファーに入られて、駐車やゴミ等で問題を起こされたらたまったもんじゃありません。その気持ちは十分に分かります。一般的にローカルとのトラブルになるようなポイントは中、上級者向けのポイントが多く我々のような初心者が入るポイントではありません。例えどこのポイントであっても入らせてもらっている気持ちを忘れないようにしましょう。またローカルの忠告はしっかりと聞きましょう。分かりにくいカレントや危険を教えてくれている事があります。
ただ、どの世界にもタチの悪い人はいます。ローカルとして大した活動もしていないのに難癖をつけてくる人も数少ないですがいます。そのような人と遭遇してしまった際は、「すみませーん」と謝って早々に退散しましょう。海から上がれと言われたら大人しく上がって他のポイントを探しましょう。我々初心者は多少波が悪くても練習になりますので、気持ちを切り替えた方が懸命です。サーフィンあるあるですが、タチの悪いローカルに限ってサーフィンが下手で上手いビジターサーファーにうっぷんをぶつける傾向があります。最近も「せきとくん」と言うサーフィン系YouTuberがローカルからの嫌がらせが原因でYouTube活動を止めてしまいました。
ローカリズム自体は海外の方がきついと思います。日本のプロサーファーでもハワイのパイプラインというポイントで何年も通ってやっと乗らせてもらえたという話を以前はよく聞きました。最近はそこまできつい事は無さそうですが、ローカリズムが無くなる事はないと思います。私自身は年齢的にもそこまでの領域にたどりつけないと思いますが、若い方が実力を付けて各地の大波に挑む場合は、その土地土地のローカルとしっかりコミュニケーションを取る必要があります。私はこのような面倒な事も含めてサーフィンの魅力だと思います。海はゲレンデのような管理者がいる遊び場ではありません。全ては自己責任で判断しなければならず、だからこそサーフィンは他のスポーツとは一線を画して存在するのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。年配者がサーフィンを始めるにあたって少しでもお役に立てれば幸いです。もしサーフィンを始めて本気で上手くなりたいと言う方がいれば、私は迷わず私の受講しているVSCをおすすめします。基本的にネットでの講習なので地方にお住まいの方でも参加できますし、私と同年代やそれ以上の方も多く切磋琢磨しています。これはアフィリエイトや案件等ではなく、純粋におすすめしています。なぜなら私が長年悩んでいた事や、分からなかった事を端的に解説しているスクールは他には無かったからです。サーフィンは動いている波に乗るスポーツなので、感覚で語られる事が多々あります。また、プロであっても自分の感覚を伝えようとするので、実際の動きと語っている事が違う場合があります。一例を上げるとサーフィンの最初の難関であるテイクオフ(波に滑り出す事)においても、盛り上がってくる波面をスキーの雪面のように滑り落としてテイクオフしますと書いてあるハウツー本が数多くあります。サーフボードの角度を波面と合わせるためにあごで押さえつけてテイクオフしますとあります。これを何度やっても波に置いて行かれてテイクオフできません。運よく板が滑り出した時には波の下の方に来てしまい、何も出来ずに終わりです。VSCではサーフボードを極力地面に対して平行に保つよう教えられます。波のメカニズムから教えてくれるので納得もできるし、実際少ないパドル数でテイクオフできます。正直なところサーフィンは中々上達が難しいスポーツです。特に年配者であれば家庭や仕事で海に行ける日も限られていると思われます。少ない時間で効率的に上手くなろうとすれば、良いスクールに通うのが一番です。ぜひ頑張って上手くなりましょう。