黒川博行さんの小説が大好きです。疫病神シリーズは社会の裏面がベースにあって、そこに蠢く闇の紳士たちに底辺コンビが風穴を開ける痛快さと、しっかり練りこまれたストーリーが毎回ワクワクさせてくれます。 堀内・伊達シリーズは、彼らの会話のリズムが心地よく、ずっと読んでいたい気分にさせてくれます。また、関西に住んだ事のある人間には移動距離と時間の進み方のマッチングが絶妙で、「そうそう、この時間にこの距離やったらタクシーしかない」とかが肌感覚で分かるためストーリーに没入してしまいます。
話は少しずれますが、僕は以前吹田市に住んでいて(大阪人の言う北摂地域)、江坂で飲んで帰りタクシーで帰っても3千円ぐらいで、時々ミナミの知り合いの店で飲んでタクシーで帰っても5千円もいかなかった事を思い出します。どういう料金体系だったんだろうと今でも不思議です。今はありませんが、当時ワンコインタクシーとかもありました。
本題です。疫病神シリーズは、人気のため2回映像化されていますが、僕はどちらも見ておりません。見ずに言うのも大変失礼なのですが、キャスティングがどうしても納得いかないのです。BSスカパーでは、桑原-北村一輝さん、二宮-濱田岳さん。映画では、桑原-佐々木蔵之介さん、二宮-横山裕(関ジャニ∞)さんでした。僕の記憶では、二宮が40歳前、桑原が41、2ぐらいの設定だったと思います。濱田さんや横山さんの二宮では、若すぎるというか子供っぽい感じがします。確かにいい歳をして、おふくろさんにお金を借りる甘い二宮ですが、サバキの斡旋で凌いでいる汚れた部分がお二人にはありません。僕が一番二宮に合っていると思っていた俳優さんは、捕まってしまった新井浩文さんです。新井浩文さんはどこか危うさが漂っていて大好きな俳優さんでした。桑原については華奢な身体だけど、喧嘩の度胸とテクニックは天下一品、関わったらややこしい男というイメージです。激戦区大阪で凌いでいるので、設定年齢より高めの俳優さんがするのはいいのですが、北村一輝さんでは、マッチョ過ぎますし、佐々木蔵之介さんは大柄なイメージがあります。僕の頭の中の桑原は、身長170センチないぐらい、細身、切れ長の一重瞼なんですけど、一番近いのは岸谷五朗さんの若い頃かな、アウトレイジの加瀬亮さんもいい感じですね。
みなさんにも読んでいただき、自分なりの桑原や二宮を見つけていただければ幸いです。